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> 2013/11/18 商取引

SNSでの懸賞広告の際の景品表示法上の留意点

Q インターネット上でSNSを運営する弊社は,キャンペーンの一環としてプレゼントを付けることを検討していますが,気を付けるべき点はありますか。

A いわゆる景表法上の規制に留意する必要があります。

1 不当景品類及び不当表示防止法

消費者が景品に惑わされて質の良くないものや割高なものを買わされてしまうことは,消費者にとって不利益となること,また景品による競争がエスカレートすることにより事業者が商品・サービスの内容での競争に力を入れなくなり,消費者の不利益につながる虞があることから,「不当景品類及び不当表示防止法」(以下,「景表法」といいます。)では,景品類の最高額や総額等を規制しています。

2 景品類とは

そこで,上記景表法の規制にかかるかを判断するため,今回貴社で考えられているプレゼントが景表法にいう「景品類」に該当するか否かが問題となります。

景表法2条3項において,「景品類」とは,顧客を誘引するための手段として,その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず,くじの方法によるかどうかを問わず,事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品,金銭その他の経済上の利益であって,内閣総理大臣が指定するものをいう,と定義されています。

そして,「内閣総理大臣が指定するもの」は,「不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件」(注1)において,
一 物品及び土地,建物その他の工作物
二 金銭,金券,預金証書,当せん金附証票及び公社債,株券,商品券その他の有価証券
三 きよう応(映画,演劇,スポーツ,旅行その他の催物等への招待又は優待を含む。)
四 便益,労務その他の役務
が指定されています。

ただし,正常な商慣習に照らして値引又はアフターサービスと認められる経済上の利益及び正常な商慣習に照らして当該取引に係る商品又は役務に附属すると認められる経済上の利益は含まないとされています。
(注1)http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_6.pdf

3 当該プレゼントが上記「景品類」に該当する場合,上述のように景表法の規制対象となります。

景表法に規定されている規制は次のとおりです。

(1)一般懸賞の場合

一般懸賞とは,商品・サービスの利用者に対し,くじ等の偶然性,特定行為の優劣等によって景品類を提供することを指します。

例としては,くじやじゃんけん等により提供する場合,クイズ等の解答の正誤により提供する場合,競技等の優劣により提供する場合等が挙げられます。

一般懸賞に該当する場合

ⅰ)懸賞に係る取引価額が5000円未満の場合
景品類の最高額は取引価額の20倍,
景品類の総額は懸賞に係る売上予定総額の2%,

ⅱ)懸賞に係る取引価額が5000円以上の場合
景品類の最高額は10万円,
景品類の総額は懸賞に係る売上予定総額の2%
が限度額となります。

(2)共同懸賞の場合

共同懸賞とは,商店街や一定の地域内の同業者が共同して行う懸賞を指します。

共同懸賞に該当する場合,景品類の最高額は取引価額にかかわらず30万円,景品類の総額は懸賞に係る売上予定総額の3%が限度額となります。

(3)総付景品の場合

総付景品とは,商品の購入者や来店者に対し,もれなく提供する景品を指します。

総付景品に該当する場合,

ⅰ)取引価額が1000円未満である場合,
景品類の最高額は200円,

ⅱ)取引価額が1000円以上である場合
   景品類の最高額は取引価額の10分の2
が限度額となります。

なお,商品・サービスの販売に必要な物品・サービス,見本・宣伝用の物品・サービス,自店又は自店と他店で共通して使用できる割引券,開店披露・創業記念等で提供される物品・サービスについては,景品規制は適用されません。

4 オープン懸賞

オープン懸賞とは,商品を買ったりサービスを利用したりすることなく,誰でも応募できる懸賞を指します。 新聞・テレビ・雑誌・ウェブサイト等で広く告知し応募させるもので,誰でも応募できるものである場合,景品規制の適用はありません。

したがって,景品等の価額や総額に関し,上限はありません。

もっとも,懸賞を実施するメーカーが資本の大半を出資している店舗や,懸賞を実施するメーカーとフランチャイズ契約をしている店舗に懸賞への応募用紙を設置するような場合はオープン懸賞とは認められませんのでご注意ください。


田島総合法律事務所


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