基本理念

当事務所は,法の支配に基づく公正な自由競争社会の実現に寄与し,正当な法的利益を適切に保護しその発展に向けて尽力します。そのために,専門家として研鑽に努め,迅速かつ的確なサポートを心懸けます。以下に,各方面において当事務所が果たすべき役割とその方針を述べさせて頂きます。

規制緩和と弁護士の役割

バブル経済崩壊後の失われた10年を経て,我が国では規制緩和の動きが急速に強まり,官主導の事前規制社会から,民間の自由競争による紛争の事後処理社会へと大きく舵が切られることになりました。自由競争社会においては,紛争のリスクは事業者自らが負わなければなりませんから,これを支える弁護士には,従前通りの交渉・裁判を通しての紛争の事後的解決ばかりではなく,紛争予防のための助言・コンサルティングもまた特に期待されることになります。殊に事業者間,あるいは事業者・消費者間の契約においては,契約書によって権利義務の内容を確定させ,後の紛争予防のための証左とするため,その内容を定めるに際しては,将来の紛争リスクの的確な予測の上で,履行利益の確実化を図らなければなりません。弁護士は,交渉・裁判実務における紛争処理経験をベースに,いかにすればそれらを的確に予防できるかをコンサルティングすることになるのです。この作業は一朝一夕になし得るものではなく,豊富な実務経験こそがその裏付けとして必須と言うべきです。

厳しさを増す経営環境と弁護士の必要性

ところで,規制緩和の流れは,自由競争を強力に推進した結果,市民への良質・安価な商品・役務の提供を実現する一方で,競争における勝者と敗者を色濃くし,貧富の格差を拡大したとも評されます。こうした厳しい経営環境を生き抜くには,より一層紛争リスクの回避が求められることになりますし,時には早期の再生処理も必要でしょう。また,経営環境と労働環境は連動するところでもあり,労働紛争がより根深いものとなることが懸念されます。こうした事態への適切な対処と予防もまた弁護士に強く期待されるところです。 さらに,外資の参入によって漸進的にもたらされたグローバルスタンダードでの内部統制システムやコンプライアンス体制のあり方は,企業リスクのコントロールのための的確な体制作りを求めるところとなっています。顧問としての関与のみならず,社外役員や内部通報の外部窓口の運用においても,法の支配の担い手たるべき弁護士に期待されるところは大きいといえるでしょう。

加えて,厳しい競争環境の下で,農産品から工業製品に至るまで,他の製品や役務との差別化を図るためには,アイディアや発明等の知的財産がその競争力の重要な要素として再認識されることにもなります。その保護は特許法や不正競争防止法を初めとする法制度の強化によって推進されてきましたが,これら法制度をいかに効果的に利用するかもまた今日の重要課題となります。弁護士は,知的財産の保護と利活用を的確に調和させつつ,企業利益の最大化を図らなければなりません。 こうして,あらゆる方面に渡り,的確な助言と対処を行うのが弁護士であり,企業の永続的な発展のためには,弁護士抜きの企業経営はあり得ないといっても過言ではないのです。当事務所は,こうした弁護士の役割を明確に意識し,諸方面に渡る事件処理と研鑽を通して,プロフェッショナルとしてのサポートを実現しています。多くの上場企業を含む100社を超える顧問関係にある企業様の存在がその証左といえるでしょう。

ホームロイヤーとしての弁護士の役割

自由競争の中で自らを守らなければならないのは非事業者たる個人も同様です。消費者被害については相談窓口が充実してきたとはいえ,民事事件としての解決には弁護士が重要な役割を担います。また,不動産を初めとする諸々の売買の履行,貸金返還等においては,強制執行の可能性も視野に入れたトータルなアドバイスが求められます。離婚,遺産分割等の問題は,人の心に配慮した法の適用であってこそ納得感のある解決が得られるのであり,弁護士の人間としての器が試される場面です。ご高齢の方の財産管理や将来を見据えた任意後見契約での関与は,法律の専門家の関与による的確な処理への期待と信頼の下で,ご依頼者の最期を看取る役目でもあります。

このようにホームロイヤーとしての弁護士の関与は,杓子定規的な業務遂行では十分に果たし得ないところです。当事務所においては,法律相談から各事件処理に至るまで,これらの要請にしっかりとお応えしております。

法曹人口激増の時代のあるべき法律事務所とは

規制緩和の中で法曹人口の大幅増加が図られ,これによって地方の司法過疎地域の解消や被疑者国選制度の推進のためのマンパワーが相当程度供給されたことで,法の支配はいよいよ社会の隅々にまで浸透しつつあります。が,その一方で法曹に対する需要と供給が必ずしもマッチングしていない結果,司法修習を経ても法律事務所に就職できず,即独立を余儀なくされる若手弁護士も目立つようになりました。弁護士間の競争の激化に伴い,電車でもインターネットでもテレビでも,弁護士広告はあふれていますが,弁護士の実力は?といえば,よく分からないままに弁護士を探す方も多いのではないでしょうか。

このような時代において,弁護士の実力を担保するためには,弁護士業界が徒弟制度的に培ってきた法曹養成基盤を今一度見直して,弁護士会としてシステムを構築する必要があると共に,各事務所の中においても,知識経験と事件処理の感性に秀でたベテラン弁護士と,フットワークよく調査・起案に当たる若手弁護士との協同作業を推進することが非常に重要といえます。

当事務所では,弁護士経験25年を超える代表パートナー弁護士,経験10年を優に超えるパートナー弁護士の下,経験10年前後のジュニア・パートナー弁護士,さらにはアソシエイト弁護士がバランスよく配置され,各弁護士が案件毎にチームを組んで皆さまからご委任を頂いた案件に対処させて頂いています。債務整理の過払い案件を初めとして事務処理が比較的容易で特段の経験を要しない案件であれば,このような協同作業も不要かも知れませんし,実際に事件を若手に丸投げにしつつ急拡大している事務所も多く観られます。しかし,実力の裏付けのない見せかけの拡大は,決してご依頼者のためにはならず,当事務所としても何ら興味はありません。あくまでマンツーマンの法曹養成にこだわり,少数ながらも実力派の精鋭集団を目指して日々研鑽を積む所以です。長年に渡る実績とこれに裏付けられた信頼感・安心感こそが,当事務所の最大のセールスポイントです。

敷居の低い法律事務所、相談しやすい弁護士を目指して

せっかくご依頼を頂いているのに,弁護士とのコンタクトがなかなか取れないという方は,実は多いのではないでしょうか。こんなことを尋ねたら弁護士に煙たがられるかも知れないと思って,弁護士への連絡をためらわれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。当事務所ではそのようなことは一切ありません。事務所には弁護士が常駐するように工夫しており,至急のご相談でもしっかりと対処させて頂きます。

大した案件ではないと思われても,実際相談してみたら落とし穴が見つかるかも知れません。念のためのご相談は,むしろ大切なのです。こうして私達は,いつでもご依頼者の皆さんを支えられるよう,敷居が低い事務所,相談しやすい弁護士を目指しています。百聞は一見にしかずと言います。どうぞお気軽にご連絡を下さい。